日本電子「AccuTOF GC-Alpha 2.0」

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日本電子は、高質量分解能と多彩なイオン化法を強みとするGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を展開する国内メーカーです。
本ページでは、製品の特徴や用途、事例、導入・運用に役立つ情報を解説します。

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画像引用元:日本電子公式HP(https://www.jeol.co.jp/products/scientific/gcms/JMS-T2000GC.html)

日本電子のガスクロマトグラフの特徴

GC-MS分野で培われた高い質量分解能と
質量精度

GC-MSはGC-TOFMS(飛行時間型)、GC-QMS(四重極型)、GC-TQMS(三連四重極型)の3タイプをラインナップし、用途に応じた選択が可能です。

フラッグシップモデルのAccuTOF GC-Alpha 2.0は初代AccuTOFから数えて第7世代にあたり、イオン光学系を全面的に刷新。質量分解能30,000(m/z 614)、質量精度1ppm(EI標準イオン源)を達成しており、未知物質の精密な同定に威力を発揮します。

EI・FI・FD・PI・CIなど
イオン化法の選択肢が豊富

一般的なGC-MSで標準搭載されている電子イオン化(EI)に加えて、電界イオン化(FI)、電界脱離(FD)、光イオン化(PI)、化学イオン化(CI)といった多彩なソフトイオン化法を搭載できます。

EI/FI/FD共用イオン源やEI/PI共用イオン源をオプション選択すれば、イオン源を交換することなく異なるイオン化法で測定が可能。未知物質の分子量確認や熱に弱い化合物の分析に役立ちます。

自動統合解析ソフトウェアで
解析の迅速化と属人化防止を両立

TOFMSモデルにはmsFineAnalysis、QMS/TQMSモデルにはmsFineAnalysis iQを搭載。EI法とソフトイオン化法のデータを統合し、未知化合物の定性解析を自動で実行します。

NISTデータベース検索とソフトイオン化による分子イオン確認を組み合わせることで、従来のライブラリー検索のみの定性解析よりも同定精度が向上。分析者の経験やスキルに依存しにくい体制を構築できます。

小型・ポータブル型
ガスクロマトグラフの
選定のポイント

Sylphのような小型・ポータブル型GCは、現場での即時分析や設置場所を選ばない柔軟性など、従来のラボ設置型GCにはないメリットを多く備えています。一方で導入にあたっては、重量やサイズ、バッテリー駆動の可否など、現場環境に合わせて確認しておきたいポイントも少なくありません

こうした導入前に押さえておきたい観点を整理しているので、ぜひ参考にしてください。

日本電子のGC-MSに関する
活用事例

材料・化学分析における
活用例

FD法による潤滑油中添加剤の
精密な同定

潤滑油中の添加剤は分子量が大きく、通常のEI法ではフラグメント化が激しいため、分子イオンを直接検出して同定することが困難です。

AccuTOF GC-AlphaのFD法を用いて、市販エンジンオイル添加剤中のモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)を分析。高質量域の分子イオンを直接検出し、モノアイソトピックイオンにおける質量誤差2mDa程度という高い質量精度で組成式を推定しました。msRepeatFinderのKMDプロットにより、炭化水素化合物シリーズとMoDTCのピークを可視化して明確に区別することにも成功しています。

キャリアガス運用における
活用例

窒素キャリアガスでの
ソフトイオン化法感度を検証

ヘリウムガスの供給不足を背景に、GC-MSのキャリアガスとして窒素を使用した場合の感度低下が課題となっています。

AccuTOF GC-AlphaのEI/FI共用イオン源で窒素キャリアガスを使用した場合の感度を検証。FI法ではヘリウムと窒素でほぼ同等のS/N感度を確認し、ソフトイオン化法が窒素キャリアガス運用時のヘリウム代替手段として有効であることが示されました。

導入後の運用・
メンテナンス方法

  • 電源:AC電源でのラボ設置が前提。GC-MSシステムとして安定した電源供給とキャリアガス配管が必要
  • キャリアガス:ヘリウムが標準だが、窒素キャリアガスでのソフトイオン化法運用も検証済み
  • ソフトウェア:msFineAnalysis / msFineAnalysis iQによる自動定性解析で、属人化を抑えた運用が可能

マルチイオン化モードにより、イオン源を交換せずに複数のイオン化法を切り替えられる点が運用上の特徴です。EI法でフラグメントパターンを取得しつつ、FI法やPI法で分子イオンを確認する測定フローを1台で完結できます。

ランニングコストについて具体的な金額は公式HPに記載ありませんでした。

日本電子の製品に
適した活用シーン

ラボでの成分特定・精密分析、とりわけ未知物質や複雑な混合物の同定が求められる高度な分析シーンに適しています。
潤滑油中の添加剤の組成分析や、混合物中の微量不純物の構造推定など、従来のライブラリー検索だけでは判別が難しい分析で活用されています。

自社に合ったガスクロ
マトグラフの選び方

ガスクロマトグラフは、使用シーンによって適した機器が大きく異なります。
使用する環境が違えば必要な検出器・設置条件・運用方法も変わるため、自社に合った製品を選ぶには「どこで・何を測定したいか」を起点に検討することが大切です。

当メディアは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つの使用シーン別におすすめメーカー・製品をまとめています。

「AccuTOF GC-Alpha 2.0」の
製品スペック・仕様

重量 公式HPに記載なし
サイズ 公式HPに記載なし
起動時間 公式HPに記載なし
連続稼働時間 公式HPに記載なし
キャリアガス He、N₂(窒素キャリア対応確認済)
検出器 TOFMS(EI/FI/FD/PI/CI対応)
カラム交換 可能
自動クリーニング 公式HPに記載なし
キャリアガス供給方式 外部ボンベから供給

「UltraQuad SQ-Zeta」の
製品スペック・仕様

重量 公式HPに記載なし
サイズ 公式HPに記載なし
起動時間 公式HPに記載なし
連続稼働時間 公式HPに記載なし
キャリアガス He等
検出器 QMS(四重極型MS)
カラム交換 可能
自動クリーニング 公式HPに記載なし
キャリアガス供給方式 外部ボンベから供給

「UltraQuad TQ」の
製品スペック・仕様

重量 公式HPに記載なし
サイズ 公式HPに記載なし
起動時間 公式HPに記載なし
連続稼働時間 公式HPに記載なし
キャリアガス He等
検出器 TQMS(三連四重極型MS)
カラム交換 可能
自動クリーニング 公式HPに記載なし
キャリアガス供給方式 外部ボンベから供給

会社情報

1949年に電子顕微鏡メーカーとして創業し、電子顕微鏡・NMR・質量分析計などの理科学計測機器分野で技術力を有する国内メーカーです。

東京都昭島市に本社と主力工場を構え、日本国内と世界各国に販売・サービス網を展開。GC-MSにおいてはAccuTOFシリーズで20年以上の開発実績があり、受託分析や講習サービスも提供しています。

会社名 日本電子株式会社(JEOL Ltd.)
本社所在地 東京都昭島市武蔵野3-1-2
電話対応時間 公式HPに記載なし
問い合わせ先電話番号 042-543-1111(代表)
公式HPのURL https://www.jeol.co.jp/
使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2026年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。