VOC(揮発性有機化合物)分析向けガスクロマトグラフ

目次
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VOC(揮発性有機化合物)の測定では、どの装置を選ぶかが分析精度と対応スピードを左右します
ガスクロマトグラフは、VOC分析の中核を担う代表的な手法です。

本ページでは分析手法や活用現場、検出器の選定、ラボと現場の違いから、ポータブル機の選び方までを体系的に解説していきます。

ガスクロマトグラフを用いたVOCの分析手法

「VOC分析」に
ガスクロマトグラフが選ばれる理由

VOC分析では、試料採取後にガスを装置へ導入し、カラムで各成分を分離したうえで検出器により検出・定量するプロセスで測定します。

複数のVOCが混在する場合でも成分ごとに分離して個別に定量できるため、混合ガス中の原因物質を特定できる点が、複雑な成分分析において広く選ばれる理由です。

主な試料導入方式と適した用途

試料導入方式には、ヘッドスペース法やパージ&トラップ法、直接導入などがあります。

試料導入方式 適した用途と試料形態
ヘッドスペース法 液体・固体試料中の揮発成分
パージ&トラップ法 微量VOCの濃縮測定
直接導入法 高濃度ガスの分析

これらは、VOCの濃度や試料形態に応じて手法を使い分ける必要があります。
分析結果の精度は前処理やカラム、検出器の組み合わせで変わるため、最適な選択が求められます。

VOC分析における
ガスクロマトグラフの活用現場

環境調査
(大気・VOC・土壌汚染)

大気中VOC、土壌汚染ガス、排気ガスのモニタリングにおいて、ガスクロマトグラフは環境調査分野の成分特定と定量の手法として用いられます。

作業環境測定や大気汚染防止法対応など、規制遵守の観点からも活用される分析アプローチです。

工場・生産ライン
(VOC漏洩検知・品質管理)

製造工程でのVOC漏洩検知や、溶剤剥離工程、塩化ビニルモノマーなどの品質管理に活用されています。
測定頻度や規制対応の有無、現場設置の可否によって、適した装置の構成は変わります。

おすすめ製品:VOC分析対応
ガスクロマトグラフ

※2026年5月15日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」と検索して確認できる30製品のうち、「対象成分にVOCの明記があり、かつ自動クリーニングもしくは短時間起動の省力化機能を持つ」以下の3製品を選定。

ボールウェーブの超小型
ガスクロマトグラフ Sylph

9000GC
画像引用元:アジレント・テクノロジー公式HP(https://www.agilent.com/cs/library/usermanuals/public/G4580-96003.pdf?srsltid=AfmBOoppObG4jVMoNCkpa4H2AQFX2YvgywU0pvHe4l4vqMQnCwuv73wS)
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
起動時間 約10分
連続稼働時間 約100時間
キャリアガス 水素
検出器 ボールSAWセンサ
カラム交換 可能
自動クリーニング あり
キャリアガス供給方式 水素吸蔵合金キャニスター

アジレント・テクノロジーのIntuvo 9000 GC システム

Sylph<
画像引用元:ボールウェーブ公式HP(https://www.ballwave.jp/products/)
重量 記載なし
サイズ 270×510×690mm
起動時間 記載なし
連続稼働時間 記載なし
キャリアガス 記載なし
検出器 記載なし
カラム交換 可能
自動クリーニング あり(バックフラッシュ)
キャリアガス供給方式 記載なし

日本サーモのFROGシリーズ

FROG

画像引用元:日本サーモ公式HP(https://www.thermo.co.jp/defiant_tech_frog5000/)
重量 2.2kg
サイズ 191x254x369mm
起動時間 記載なし
連続稼働時間 約9時間
キャリアガス 周辺空気
検出器 PID
カラム交換 記載なし
自動クリーニング 記載なし
キャリアガス供給方式 周辺空気を浄化

自社の測定環境と目的に合ったガスクロマトグラフの選び方

ガスクロマトグラフは、使用シーンによって適した機器が大きく異なります。使用する環境が違えば必要な検出器・設置条件・運用方法も変わるため、自社に合った製品を選ぶには「どこで・何を測定したいか」を起点に検討することが大切です。

【フローチャート】
おすすめのガスクロマトグラフ
メーカーと製品を紹介

主要メーカーの製品を幅広く比較調査したうえで、選定基準を診断チャートに落とし込みました。いくつかの質問に答えるだけで、自社に合った製品にたどり着けます。
※2025年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。

ガスクロマトグラフの導入を検討している
       

Q1.【ガス】測りたいガス・
成分は決まっていますか?

Q2.測りたい成分はどれですか?

アジレント 8890
GCシステム

ラボで微量成分を特定
VOC・硫黄系・窒素系など幅広く対応

横河電機 GC8000

製造ラインで異常を自動検知
天然ガス・石油精製・石油化学

           

Q3.どちらの測定シーンが多いと想定されますか?

アジレント 8890
GCシステム

ラボで微量成分を特定
VOC・硫黄系・窒素系など幅広く対応

ボールウェーブ Sylph

現場でそのまま連続計測
重量1.9kg・ボンベ不要

導入相談フォームへ

専門スタッフがご案内します

Q2.【場所】使う場所はどれですか?

アジレント 8890
GCシステム

ラボで微量成分を特定
VOC・硫黄系・窒素系など幅広く対応

横河電機 GC8000

製造ラインで異常を自動検知
天然ガス・石油精製・石油化学

導入相談フォームへ

専門スタッフがご案内します

Q3.【目的】一番やりたいことはどれですか?

アジレント 8890
GCシステム

ラボで微量成分を特定
VOC・硫黄系・窒素系など幅広く対応

横河電機 GC8000

製造ラインで異常を自動検知
天然ガス・石油精製・石油化学

導入相談フォームへ

専門スタッフがご案内します

ボールウェーブ Sylph

現場でそのまま連続計測
重量1.9kg・ボンベ不要

VOC測定に適した検出器の特徴

FID(水素炎イオン化検出器)

炭化水素系VOC全般に対して安定した感度を持ち、広いダイナミックレンジでの定量に対応しています。

直線性に優れ、微量から高濃度まで一貫した測定が行えるため、再現性の高いデータ取得が求められるラボでの標準的なVOC分析に用いられます。

PID(光イオン化検出器)

紫外光によってVOCをイオン化して検出するため、ppbレベルの低濃度域でも感度よく応答します。

応答速度が速く、リアルタイムで濃度変化を把握できるため、現場での漏洩検知や異常スクリーニングなど迅速な判断が求められる用途に適した検出方式です。

SAW(表面弾性波センサ)

ボールSAWセンサなどの方式は、小型化技術や現場機器への搭載適性が特長であり、ポータブルGCへの採用が進む検出方式です。

用途に応じて、FIDはラボでの定量、PIDは現場スクリーニング、SAWは小型現場機器向けと使い分けることができます。

ラボでの定常分析と現場での
リアルタイム分析の違い

分析アプローチ メリット デメリット・注意点
ラボ分析 再現性が高く、多成分の同時定量や法規対応データの取得に強みがある。 試料採取から分析までにタイムラグがあり、成分変質のリスクを伴う。
現場分析 即時判断によるタイムロス削減に優れ、揮発しやすいVOCを捉えやすい。 据え置き型装置と比較して、分離能や精度が限定的になる場合がある。

規制対応にはラボ型、現場での迅速な一次判断にはポータブル型が適しています。

VOC測定向けポータブル
ガスクロマトグラフの選び方

VOC測定では、対象濃度や用途に応じてラボ型と現場型を使い分けることが重要です。
迅速な異常検知や原因特定を重視する場合、ポータブルGCの導入が有力な選択肢となります。

ガスクロマトグラフは、使用シーンによって適した機器が大きく異なります。
使用する環境が違えば必要な検出器・設置条件・運用方法も変わるため、自社に合った製品を選ぶには「どこで・何を測定したいか」を起点に検討することが大切です。

当メディアは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つの使用シーン別におすすめメーカー・製品をまとめています。

使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で最高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2025年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。