ボールウェーブ「Sylph(シルフ)」

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ボールウェーブの「Sylph(シルフ)」は、現場での使用を前提に開発された超小型ガスクロマトグラフです。
本ページでは、製品の特徴や用途、事例、運用方法まで具体的に解説します。

Sylph
画像引用元:ボールウェーブ公式HP(https://www.ballwave.jp/products/)

超小型ガスクロマトグラフ「Sylph(シルフ)」の特徴

A5サイズ・重量約1.9kgで
持ち運びが容易

Sylphは、幅133mm×高さ88mm×奥行174mmのA5版手のひらサイズで、重量約1.9〜2kgと軽量な設計で、持ち運びや設置場所を選びません。

従来のポータブル型装置よりも携帯性に優れ、実験室に限らず、生産ラインの近くや工場内、室内の施工・管理現場、収蔵品を保管する空間など、幅広い場所で活用できます。

外部のボンベ不要で現場に
そのまま持ち込める

装置の水素源となる水素吸蔵合金キャニスターを内蔵。高圧ボンベや外部の配管が不要で、片手で持ち運べる重量・サイズです。

発生源のすぐそばまで現場に持ち込み可能。ラボでの分析を待つことなくその場で測定できるため、対応が遅れることもありません。

低濃度〜高濃度まで対応する
高感度センサを搭載

音波を球面上で繰り返し循環させることで感度を高めた、独自のボールSAWセンサを搭載。水素・有機混合ガス・水蒸気などを含む濃度域のガスを検知します。

一般的なポータブル装置が100万分の1(ppm)レベル中心であるのに対し、微量なVOCや異臭成分も10億分の1レベルのppbまで可視化。検知した結果をリアルタイムにグラフや数値で表示できるため、現場での一次スクリーニングに適しています。

小型・ポータブル型
ガスクロマトグラフの
選定のポイント

Sylphのような小型・ポータブル型GCは、現場での即時分析や設置場所を選ばない柔軟性など、従来のラボ設置型GCにはないメリットを多く備えています。一方で導入にあたっては、重量やサイズ、バッテリー駆動の可否など、現場環境に合わせて確認しておきたいポイントも少なくありません

こうした導入前に押さえておきたい観点を整理しているので、ぜひ参考にしてください。

超小型ガスクロマトグラフ「Sylph」の活用事例

電子機器製造現場における
活用例

微量シロキサンをその場で分析し
トラブルの種を早期発見

精密電子機器の製造現場では、揮発した成分が機器内に侵入し、レンズの曇りや絶縁膜の耐圧低下、接点不良などの不良原因となりがちです。気中に拡散する微量成分を現場で捕捉・分析する手段がなく、トラブルが顕在化してから原因を遡って調べるほかありません。

ガスバッグに捕集したサンプル中の成分を、ppbオーダーでの微量でもその場で分離・検出。持ち運びが容易で操作もシンプルなため、必要な場所にピンポイントで設置して常時監視が可能になりました。トラブルの早期発見と除去装置の性能評価の両方に貢献します。

クリーンルームにおける
活用例

見えない汚染源を検出し
トラブルを未然に防ぐ

半導体・MEMS製造ではアミン類が原料として使用されます。クリーンルーム大気中に残留した極微量のアミンがウェハーに付着し、素子に悪影響を与える可能性があります。微量成分を現場で分析する手段がなく、原因特定が困難です。

Sylphで分析したところ、他成分との明瞭な分離を確認し、10億分の1グラム単位というわずかな濃度まで捉えられることが分かりました。15分程度で起動できる手軽な設計のため、現場で即座に分析に成功。常時連続モニターとして、時系列の変化も観察できるようになりました。

住宅業界における活用例

Sylphで複数の有害VOCを同時分離し
シックハウス対策に活用

新築住宅の建材や塗料に含まれる化学物質は、頭痛や目の痛みなどのシックハウス症候群を引き起こすことがあります。複数の有害化学物質をまとめて測定する手段がなく、原因の特定が困難な状況です。

2種類のカラムを直列に接続することで、分離用カラムを長くせずに多種類の有害ガスを同時測定できる体制を構築。非破壊センサのため同じ試料を繰り返し測定することで、目に見えないガスの可視化に役立つことができます。

導入後の運用・
メンテナンス方法

  • 電源:バッテリー駆動、外部電源不要
  • 設置スペース:卓上・持ち運び可能な省スペース設計
  • 付属品:専用キャニスター・基本アクセサリのみで運用可能

Sylph導入後は、特別な設備がほぼ不要です。水素キャニスターによる運用で、使用頻度に応じて一定期間ごとに交換が必要ですが、作業は簡単で手間がかかりません。

従来装置と比較して、ガス管理や設備維持のコストを大きく削減します。

ボールウェーブの製品に
適した活用シーン

Sylphは、微量VOCや異臭の原因特定を現場で迅速に行いたい場面において効果的です。
小型・軽量かつボンベ不要で持ち運びやすく、ppbレベルの検出性能により現場での精度ある一次判断を支えます。

自社に合ったガスクロ
マトグラフの選び方

ガスクロマトグラフは、使用シーンによって適した機器が大きく異なります。
使用する環境が違えば必要な検出器・設置条件・運用方法も変わるため、自社に合った製品を選ぶには「どこで・何を測定したいか」を起点に検討することが大切です。

当メディアは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つの使用シーン別におすすめメーカー・製品をまとめています。

「Sylph」の製品スペック・仕様

重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
起動時間 約10分
連続稼働時間 約100時間
キャリアガス 水素吸蔵合金キャニスター内蔵
検出器 ボールSAWセンサ
カラム交換 可能
自動クリーニング あり
キャリアガス供給方式 ボンベ・配管不要

会社情報

ボールウェーブは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究を経て生まれたボールSAWセンサの技術を核に、ガス・においの計測ソリューションを提供する企業です。

製品説明や実機デモの依頼にも対応。導入を検討している場合は公式サイトから問い合わせることができます。

会社名 ボールウェーブ株式会社
本社所在地 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40東北大学連携ビジネスインキュベータ 501
電話対応時間 平日10:00~17:00
問い合わせ先電話番号 022-302-6659
公式HPのURL https://www.ballwave.jp/
使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で最高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2025年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。