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ガスクロマトグラフのキャリブレーション(検量線)の作成方法

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ガスクロマトグラフ(GC)で成分濃度を求めるには、検出信号と濃度の関係をあらかじめ確認する必要があります。

既知濃度の標準試料を測定して作る関係式やグラフが、キャリブレーションカーブ、つまり検量線です。

ここでは、ガスクロマトグラフのキャリブレーションの重要性、検量線の作成手順、定量法の違い、更新頻度を解説します。

ガスクロマトグラフ分析におけるキャリブレーション(検量線)の重要性

GCの検出器が出すピーク面積や高さは、そのまま濃度を示す値ではありません。既知濃度の標準試料を同じ条件で測定し、信号と濃度の関係を検量線として表すことで、未知試料の濃度へ換算できます。

検出器の応答は、成分、濃度範囲、注入量、装置状態によって異なります。濃度と信号が直線関係になる範囲を確認し、必要に応じて重み付けや非線形モデルを検討します。使用するモデルは、分析法や規格に従って決めます。

相関係数だけで良否を判断せず、各点の残差、逆算濃度、範囲端の誤差、QC試料の回収率も確認することが重要です。

ガスクロマトグラフを用いた検量線の基本的な作成手順

手順実施内容主な確認事項
1. 範囲設定予想試料濃度を含む複数濃度を決める定量下限、上限、希釈の要否
2. 標準調製トレーサブルな標準品から溶液・ガスを調製する純度、希釈計算、容器、保存条件
3. 測定ブランクと標準試料を同一条件で測る注入順、反復数、キャリーオーバー
4. 積分目的ピークの面積または高さを求める保持時間、分離、積分条件
5. 回帰濃度と応答から式を作るモデル、切片、重み付け、残差
6. 検証QC試料や独立標準で妥当性を確認する許容基準、再現性、逆算値

標準と試料では、前処理、注入量、溶媒、内標準濃度をそろえます。単位、希釈倍率、標準品のロットと有効期限、調製日、作成者を記録します。

検量線の範囲外にある試料を外挿で求めず、範囲内へ希釈または濃縮して再測定します。

絶対検量線法と内標準法の違いと使い分け

比較項目絶対検量線法(外標準法)内標準法
使用する応答目的成分のピーク面積・高さ目的成分と内標準の面積比
標準の添加未知試料へは通常添加しない標準と全試料へ一定量を添加する
利点調製と計算が比較的単純注入量のばらつきを補正しやすい
注意点注入量誤差が定量値へ影響する適切な内標準物質の選定が必要

絶対検量線法は、オートサンプラーなどで注入再現性が確保でき、前処理の影響が小さい分析に向きます。内標準法では、試料に元から含まれず、目的成分と近い挙動を示し、他成分と分離できる安定な物質を選びます。

内標準を加えればすべての誤差を補正できるわけではありません。添加前の損失や、目的成分と内標準で異なる反応・吸着は別途評価が必要です。

定量分析の精度を保つためのキャリブレーション頻度と注意点

検量線の作成頻度は、適用する公定法、社内手順、装置の安定性、分析件数、試料の負荷で決まります。分析ごと、シーケンスごと、一定期間ごとなど、一律ではありません。

検量線を毎回作らない運用では、開始時と測定途中・終了時に校正確認用標準を入れ、応答が許容範囲内かを確認します。カラム交換、検出器清掃、主要部品交換、感度変化、長期間停止の後は、再キャリブレーションを検討します。

頻度と再作成の条件、許容基準、逸脱時の処置を手順書へ明記し、標準調製記録と解析履歴を残します。標準品の劣化、濃縮・揮発、吸着、キャリーオーバーも定量誤差になるため、保管条件と使用期限を管理しましょう。

使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2026年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。