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ガスクロマトグラフのトラブルシューティングと解決法

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ガスクロマトグラフ(GC)では、ピークが出ない、保持時間がずれる、ベースラインが乱れるなどのトラブルが起こることがあります。

原因は、ガス供給、試料導入部、カラム、検出器、データ処理の複数箇所にまたがるため、症状だけで故障と断定することはできません。

ここでは、ガスクロマトグラフのトラブルシューティング手順と部位別の対策、故障を予防する保守の考え方を解説します。

ガスクロマトグラフ運用時によく発生するトラブル事例

症状主に確認する箇所代表的な要因
ピークが出ない・小さい注入、流路、検出器注入不良、漏れ、流量異常、点火不良、設定誤り
保持時間がずれるキャリアガス、恒温槽、カラム流量・圧力変化、温度ずれ、漏れ、カラム長の変化
ピークがテーリングする注入口、カラム接続、流路活性点、汚染、接続不良、過負荷
ゴーストピークが出るシリンジ、注入口、カラム前試料の残留、溶媒・消耗品の汚染、ブリード
ノイズ・ドリフトが増えるガス、カラム、検出器不純物、漏れ、汚染、温度変化、検出器部品の劣化

同じ症状でも原因はひとつとは限りません。直前に変更した試料、消耗品、分析条件、保守作業を確認すると、調査範囲を絞り込みやすくなります。

ガスクロマトグラフのトラブルシューティングの基本手順

最初に、異常データと正常時データを並べ、発生時刻、対象試料、装置条件、エラーログを記録します。次にブランクと標準試料を測定し、試料固有の問題か装置側の問題かを切り分けます。

装置側では、ガス残量・元圧、流量、漏れ、恒温槽温度、検出器の点火や電流、メソッド設定を確認します。その後、試料導入部、カラム、検出器の順に点検し、交換可能な消耗品や接続状態を調べます。

一度に変更する項目はひとつにし、変更前後の結果を残すことが基本です。複数条件を同時に変えると、改善しても原因を特定できません。可燃性ガス、高温部、電源部を扱う作業は、取扱説明書と施設の安全手順に従い、必要に応じてメーカーへ依頼します。

検出器やカラム、試料導入部における異常の原因と対策

部位確認事項対策例
試料導入部セプタムの漏れ、ライナー汚染、シリンジ詰まり、注入量漏れ確認、消耗品交換、洗浄、注入条件の見直し
カラム接続位置、折れ、汚染、ブリード、温度上限正しく再接続、入口側を切除、適切な条件でコンディショニング
FID点火、ガス流量、ジェット詰まり、コレクタ汚染供給状態確認、再点火、メーカー手順による清掃
TCD等キャリアガス種、流量、フィラメント保護条件設定照合、漏れ・流量確認、保護手順の順守
データ処理信号入力、積分条件、検量線、単位メソッド照合、再積分、標準試料で再校正

カラムを切断・再接続すると保持時間が変わることがあります。消耗品交換後は標準試料を測定し、保持時間、ピーク形状、面積再現性が管理範囲内か確認します。

定期的なメンテナンスによるガスクロマトグラフの故障予防

予防保守では、日常・週次・月次などの点検周期を定めます。日常点検ではガス残量、圧力、漏れ、ベースライン、標準試料の応答を確認し、使用回数に応じてセプタム、ライナー、シリンジなどを交換します。

キャリアガスの純度を保つため、配管接続、精製フィルターやトラップの交換時期も管理します。カラムはメーカー指定の温度範囲内で使用し、酸素が流入した状態で高温にしないよう注意します。検出器はジェットや電極など、機種ごとの手順に従って清掃します。

交換日、注入回数、標準試料の結果、発生した症状と対処を保守台帳に残すと、劣化傾向を把握し、計画停止の時期を決めやすくなります。部品交換で改善しない場合や安全機構の異常がある場合は、無理に分解せずメーカーの保守窓口へ相談しましょう。

使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2026年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。