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ガスクロマトグラフのFPD(炎光光度検出器)の特徴

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FPDは、硫黄化合物やリン化合物を選択的に測定するガスクロマトグラフ(GC)の検出器です。

水素炎で成分を燃焼させたときに生じる元素固有の発光を捉え、共存成分が多い試料から目的成分を検出します。

ここでは、ガスクロマトグラフのFPDの原理、選択性、主な用途、保守・メンテナンスのポイントを解説します。

ガスクロマトグラフにおけるFPD(炎光光度検出器)の原理

FPDは、炎光光度検出器(Flame Photometric Detector)の略称です。カラムから溶出した成分を水素炎へ導入し、燃焼によって生じる光を測定します。

硫黄、リン、有機スズを含む化合物は、それぞれ特徴的な波長の光を放ちます。光学フィルターで目的元素の波長を選び、光電子増倍管で光の強さを電気信号へ変換します。

化合物全体ではなく、炎の中で生じる元素特有の発光を利用するため、硫黄・リン化合物を選択的に検出できます。測定元素に合うフィルターと検出条件を選ぶことが必要です。

FPDを用いたガスクロマトグラフ分析の選択性と特徴

FPDは、炭化水素が多い試料でも硫黄やリンを含む成分の信号を得やすく、FIDでは区別しにくい元素別の分析に向きます。目的元素以外への応答が抑えられるため、複雑な試料のスクリーニングや定量に利用できます。

一方、硫黄モードでは、信号と成分量の関係が二次応答になる機種・条件があります。直線的な応答を前提にせず、対象濃度範囲で検量線の形、重み付け、再現性を確認します。高濃度成分による消光やピークの重なりにも注意が必要です。

選択性が高くても、カラム分離と対象成分ごとの校正は必要です。感度仕様は化合物、ガス流量、炎の状態、光学系によって変わるため、実試料で評価します。

FPDが活用される主な測定対象(硫黄化合物・リン化合物)

分野主な対象例分析目的例
石油・燃料硫化水素、メルカプタン、硫黄化合物品質管理、工程監視、臭気原因の確認
食品・香料揮発性硫黄化合物香り・異臭成分の評価
環境・悪臭硫黄系悪臭物質排ガスや環境試料の成分分析
農薬分析有機リン系農薬残留成分の選択的検出
水産・材料有機スズ化合物特定元素を含む化合物の測定

測定対象が硫黄のみで、より高い感度や化合物間の等モル応答が必要な場合は、SCDなど別方式も候補です。FPD、SCD、AEDなどの違いを、濃度範囲と必要な選択性から比較します。

FPD利用時のガスクロマトグラフ保守・メンテナンスのポイント

FPDは水素と空気を使うため、始業時に供給圧、流量、漏れ、点火状態を確認します。炎が不安定なときは、ガス純度、ノズルの詰まり、カラム流量、点火条件を一つずつ点検します。

試料由来の汚れがノズルや光学窓へ付着すると、感度低下、ノイズ、ベースライン変動につながります。メーカーの手順に従って清掃し、光学部品を傷つけないように扱います。高沸点成分や多量のマトリックスを導入する場合は、前処理やガード部品で汚染を抑えます。

清掃や部品交換の後は、ブランクと標準試料でベースライン、保持時間、感度、再現性を確認します。点火不良や感度低下が続く場合は、無理に分解せず、装置メーカーの保守窓口へ相談しましょう。

使用環境別で選ぶ
ガスクロマトグラフ
装置3選を紹介

ガスクロマトグラフの使用シーンは「現場での連続計測」「ラボでの成分特定」「製造ラインへの組み込み」の3つに大きく分かれます。
それぞれ設置条件・必要な精度・運用方法が根本的に異なります。このページでは使用環境ごとに適した装置と選定ポイントを分けて解説します。

現場で状態変化を
連続計測したい
Sylphボールウェーブ
Sylph

引用元:ボールウェーブ公式HP
(https://www.ballwave.jp/products/)

対応ガス・成分 VOC・残留溶媒・香気成分
重量 1.9kg
サイズ 133×88×174mm
こんな現場におすすめ
  • 担当者がガスの発生源に直接持ち込み、状態変化を連続観測したい
  • 現場でガスの時系列データを記録し、変化のタイミングを発見したい
                       
おすすめの理由
  • 水素キャニスタ内蔵で配管工事や外部ボンベが不要。重量1.9kgの小型設計で、ライン脇や設備周辺など設置場所を問わない。
  • 夜間・休日・無人時間帯をまたぐガス変化も、約100時間の連続稼働で記録。スポット測定では捉えにくい変動も見落とさずに把握できる。
ラボで何の成分かを
正確に特定したい
8890 GC システムアジレント・テクノロジー
8890 GC システム

引用元:アジレント・テクノロジー公式HP
(https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=1005473)

対応ガス・成分 硫黄化合物・窒素化合物・VOC・残留溶媒・香気成分
重量 公式HPに記載なし
サイズ 580×510×490mm
こんなラボにおすすめ
  • ppbレベルの微量成分を、品質試験・規制基準を満たす精度で分析したい
  • 複雑な混合試料から対象成分だけを正確に特定したい
                       
おすすめの理由
  • 測定目的に合わせた検出器を最大4つ同時に搭載。複雑な試料中でも対象成分だけをppbレベルの濃度で見逃さずに検出できる。
  • 測定中に起きやすい信号のブレを、熱伝導度検出器で抑制。第三者提出が必要なデータを高い再現性で出力する。
製造ライン
異常を自動検知したい
GC8000横河電機
GC8000

引用元:横河電機公式HP
(https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-and-services/measurement/analyzers/gas-analyzers/process-gas-chromatographs/process-gas-chromatograph-gc8000/#詳細)

対応ガス・成分 天然ガス・石油精製・石油化学
重量 約100~200kg
サイズ 公式HPに記載なし
こんな製造ラインにおすすめ
  • ライン停止が許されないラインで稼働中のガスを継続監視したい
  • 有害ガスを扱い、異常の予兆を検知して安全管理を仕組み化したい
                       
おすすめの理由
  • 温度安定性を公表している製品の中で高水準である±0.03°Cを実現。プラントの長期安定稼働を支える。
  • 分析結果を監視システムにリアルタイムに表示。異常発生時は素早く機器の制御を実行し、品質不良の発生を抑える。

※2026年4月6日時点、Googleで「ガスクロマトグラフ メーカー」検索し公式HPが確認できた18社を対象に、各社最大2製品(複数製品の掲載がない場合は1製品)を調査。
再現性の記載があった製品の中での比較。